現在弊社が静岡市にある株式会社カナサシ重工殿で鋭意建造中の999G/T型内航溶融硫黄運搬船の命名進水式が、令和2年10月2日に執り行われました。
造船所の方によると、晴れていれば本船の右側にそびえ立つ富士山に向かって進水するロケーションとのことでしたが、当日は雲が多く残念ながら富士山を望むことは出来ませんでした。
また、弊社では命名進水式の際は、本船に関わる取引先の方々をお招きするのが慣例となっておりましたが、現在のコロナ禍では多くの方々をお招きするのは憚られ、少し寂しい命名進水式となってしまいました。
船舶の建造は契約後、「起工」「進水」「艤装」の工程を経て「竣工」に至ります。
「進水」は陸上で建造していた船を海に浮かべる工程で、当社では同時に船の命名を行っております。
命名進水式では、まず神主さんによる安全祈願の神事が行われます。
続いて弊社社長がそれまで建造番号667番船と呼ばれていた船を『藤菱丸』と命名した後、進水へと進みます。
命名前は船名を紅白の幕で覆い、命名と同時に除幕します。
下の左の写真が命名前、右が命名後です。
進水前の船は綱で陸と繋がれており、その綱を切ることを『支綱切断』と言います。
支綱切断により、本船は船台を滑り降り海上にその姿を現すことになります。
進水は造船所の方々にとってもそれまで陸上で作っていた船を初めて海に浮かべるという建造工程の大きな節目です。
緊張感に包まれる中、工事責任者の方から進水準備完了の報告がなされ、支綱切断の号令とともに支綱切断斧が振り下ろされました。
綱が切断されると共に 繋がれていたシャンパンが割れ
くす玉から出た紙テープをたなびかせながら、藤菱丸は静かに船台を滑り降りていきました。
今後『藤菱丸』は造船所岸壁で擬装工事を行い2021年1月下旬に竣工の予定となっております。